「半加算合成」の火の玉

KFA1.4になって、波動拳などの飛び道具を、光った感じで半透明にする「加算合成」という描画方法が追加されました。
この「加算合成」、暗い背景では見栄えがいいのですが、白っぽい背景の上にさらに光った感じの気弾が表示されると、
「ほとんど真っ白で、何がなんだかわからないじゃん。」・・・という事態に陥ったことはありませんか?

この問題を簡単に解決する方法を考えてみました。
理論的には、「普通の半透明」の黒っぽい下地の上に「加算の半透明」の明るい火の玉を描画する・・・というものです。
今回(2004/11/19)バージョンアップした「紅1.53」にこのアイデアを搭載していますので、分かりやすく、そのデータを
例に以後の話を進めていきます。

例):紅、必殺技−26P・「鬼火魂」

まず、CHARA.BMPの、もとの画像がこれです。
そのうえで、今までの「加算合成のみの火の玉」を見てみると、
暗い背景のうえに表示された火の玉
・・・ただの半透明と違い、加算合成なので暗い背景のうえでも見栄えのよい
鮮やかなカラーです。
明るい背景のうえに表示された火の玉
・・・白っぽいうえにさらに加算合成してしまったため、火の玉の赤っぽさ
加減や、外側が赤で中心が黄色という、元絵の模様もよく分からなく
なってしまっています。
これでは、市販のゲームのように、どんな背景でも丁度よい光り具合の火の玉を表現することは出来ませんね。


ここで思い出してほしいのが、KFA1.4からの追加仕様、
「重複行で違う番号の絵が指定されているときは、全ての絵を重ねて表示する」・・・なのです。

つまり、光らせたい飛び道具を二重の重複行にして、先に書く行の絵番号に加算合成指定で、「火の玉の絵」を、
後に書く行の絵番号に、半透明(50〜60%くらい)で、「火の玉と同じ範囲を、暗い色一色で塗りつぶしたシャドウの絵」
を指定すればいいのです。

元絵・・・  シャドウ・・・

これが題名につけた造語「半加算合成」なのです。

というわけで、該当部分の「紅1.53」のmotion.lst内の記述を載せておきましょう。

135.136.138などが模様が描き込まれた火の玉の絵、265.266.268などが一色で塗りつぶした影法師の絵です。

2001   -1  1 138.+  1 43 9   0 1   0 0 9 -1 N  0    0 0 0000 112058012000 000000000000 015064025054 ;鬼火
2001   -1  1 268.5  1 43 9   0 1   0 0 9 -1 N  0    0 0 0000 112058012000 000000000000 015064025054 ;

2002   -1  1 136.+  1 43 9   0 1   0 0 9 -1 N  0    0 0 0000 112058012000 000000000000 015064025054 ;
2002   -1  1 266.5  1 43 9   0 1   0 0 9 -1 N  0    0 0 0000 112058012000 000000000000 015064025054 ;

2003   -1  1 135.+  1 43 9   50 1   0 0 9  1 U  7 2020 1 020001 112058012000 000000000000 01D05F021053 ;
2003   -1  1 265.5  1 43 9   50 1   0 0 9  1 U  7 2027 1 030001 112058012000 000000000000 01D05F021053 ;

・・・(中略)・・・

2017   -1  1 135.+  1 43 9   50 1 -50 0 9  1 U  5 2020 1 020001 112058012000 000000000000 01D05F021053 ;
2017   -1  1 265.3  1 43 9   50 1 -50 0 9  1 U  5 2027 1 030001 112058012000 000000000000 01D05F021053 ;

2018   -1  1 138.+  1 43 9   50 1 -25 0 9  1 U  5 2020 1 020001 112058012000 000000000000 01D05F021053 ;
2018   -1  1 268.4  1 43 9   50 1 -25 0 9  1 U  5 2027 1 030001 112058012000 000000000000 01D05F021053 ;

2019 2019  1 138.+  1 43 9   50 1 9999 0 9 -1 N  0    0 9 0000 112058012000 000000000000 -FF-FF-FF-FF ;
2019 2019  1 268.5  1 43 9   50 1 9999 0 9 -1 N  0    0 9 0000 112058012000 000000000000 -FF-FF-FF-FF ;

この結果を実際のゲーム画面内で確認してみると、
暗い背景のうえに表示された火の玉
・・・これはもとの「加算合成」とあまり変わりありません。暗い背景のうえでも
鮮やかなカラーです。
明るい背景のうえに表示された火の玉
・・・白っぽい背景でも、火の玉の赤い色合いや模様がよく分かる、
適度な半透明。そして、ただの半透明とは違い、加算合成の側面も
持ち合わせているため光った感じも出ています。


なお、この方法を使うときのコツですが、シャドウの絵は「真っ黒」ではなく、「黒っぽいが、真っ黒ではない色」
を使う方が見栄えがよいようです。というのも、真っ黒にしてしまうと、黒っぽい背景のときに、
「暗い背景のうえに、黒50%、さらにそのうえに火の玉の絵」という描画方法になってしまうため、色が暗くなりすぎる
おそれがあるのです。上に挙げたシャドウ絵の例も、「暗いワインレッド」の色にしてあります。これは、
白っぽい背景でも光りすぎず、黒っぽい背景でも暗くならず、また、どんな背景でも赤が強調される・・・という
狙いがあるのです。

補足、シャドウ絵の簡単な作り方。元の気弾の絵をまず描いてしまって、その絵の背景色をマスキング、
マスクしていない部分を一色でベターっと塗りつぶし、別名で保存すればできあがり。意外と
あっというまに出来ます。

注意点・・・あまり大きな画像にこの方法を使うと、処理が重くなる場合があります。
まあ、波動拳くらいの大きさなら、大抵のスペックのパソコンで大丈夫なようですが・・・

最後に、見比べやすいように各画像をもう一度並べておきます。





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